新築戸建てに必須!24時間換気システムの仕組みや選び方を徹底解説
シックハウス症候群の原因から健康を守るため、設置が義務づけられている「24時間換気システム」。そもそもどのような仕組みで、何を基準にシステムを選べるのでしょうか。
この記事では新築戸建てをご検討の方に向けて、24時間換気システムの仕組みや選び方を解説します。ぜひご覧ください。
基本的な仕組みや特徴が知りたいな。
システムの種類によって性能やコストは違うの?
何を基準に機器を選べば良いのかな?
基本的な仕組みや特徴が知りたいな。
システムの種類によって性能やコストは違うの?
何を基準に機器を選べば良いのかな?
- 戸建てにも設置義務化の24時間換気システムとは?
- 24時間換気システムが義務化された背景
- 24時間換気システムと全館空調の違い
- 戸建てにおける24時間換気システムの種類
- 第一種換気
- 第二種換気
- 第三種換気
- 24時間換気システム導入のメリット
- カビや結露の防止に繋がる
- 健康面に良い影響が期待できる
- 住宅が長持ちする
- 窓を開けなくても換気できる
- 24時間換気システム導入の注意点と対策
- 音が気になる
- 空調が効きにくい場合がある
- 電気代がかかる
- 花粉や塵が入り込む可能性がある
- 台風や強い雨風の通過時は一時停止する
- 24時間換気システムを選ぶ際のポイント
- メンテナンスの頻度
- トータルコスト
- 性能
- 戸建てにおすすめの24時間換気システム
- 24Hパイプファン換気システム
- 第一種熱交換型換気システム(ダクトレスタイプ)
- 第一種熱交換型換気システム(ダクト式)
- まとめ
戸建てにも設置義務化の24時間換気システムとは?
24時間換気システムとは1日中室内を換気し、常に自動で空気を入れ替えられる機器です。2003年の建築基準法改正によって戸建てを含めた、全ての建築物に設置が義務化されました。しかし一体なぜ、どのような目的で設置が義務付けられたのでしょうか。
ここではまず、24時間換気システムが義務化された背景や全館空調との違いを解説します。
24時間換気システムが義務化された背景
全ての建築物に24時間換気設備の設置が義務付けられた背景にあるのが「シックハウス症候群の予防」です。
シックハウス症候群とは建物を建築する際に使用する建材や塗料、内装材、家具などから発生する化学物質やダニ・ホコリなどによって、室内汚染が生じ、健康に悪影響が出ること。
その症状は目がチカチカする、鼻水が出る、吐き気がする、頭痛がする、湿疹が出るなど人によって様々です。
特に最近の住宅は高気密・高断熱化が進んでおり、気密性が高いため常に換気をしないと化学物質が空気中に留まりやすくなっています。
しかし、24時間換気システムを取り入れれば、住宅全体で計画的な換気ができるため、シックハウス症候群の予防が可能です。快適で健康的な暮らしを実現できる機器として、取り入れられています。
24時間換気システムと全館空調の違い
24時間換気システムと全館空調の違いは、「換気設備」であるか「冷暖房設備」であるかです。
なお、24時間換気システムの設置は法律で義務化されています。このシステムの主な役割は室内を1日中換気することで、室内の温度・湿度調節は基本的にはできません。
一方、全館空調は家全体の室温や湿度を快適に保つためのシステムです。特定の部屋のみ室温を臨機応変に変えることもできます。こちらは法律で設置が義務化されているわけではありません。
24時間換気と全館空調は混同しやすいシステムですが、これらの違いからわかるように、全くの別物です。
戸建てにおける24時間換気システムの種類
24時間換気システムには大きく分けて「個別換気」と「セントラル換気」の2種類があります。
個別換気とは各部屋に設けた換気扇で効率的に常時換気を行うシステムです。天井埋込み型換気扇や部エスファン、パイプファンを組み合わせて換気を行います
トイレや脱衣室でパイプファン(換気扇)を回すことで、各部屋の自然給気口からストローのように外気を吸い込み、換気扇へ集まる仕組みです。
一方でセントラル換気とは、天井裏や壁面内部、屋上などに設置されたダクトと各部屋に取り付けた換気ユニットによって換気を行うシステムです。
以下ではさらに換気システムの種類を細分化して、各特徴を解説します。
第一種換気
第一種換気とは屋外の空気を取り入れる給気と、屋内の空気を排出する排気の両方を、ファン(換気扇)で行う換気方法です。空気の入れ替えを機械が制御するため、効率的かつ安定的な換気ができ、空気の流れをコントロールしやすい点が特徴です。
オプションとして備わっている熱交換換気システムを利用すれば、室温に合わせて外気を取り込めるため、空調効率を下げずに室内の温度を一定に保てます。
ただし、機械設備を用いる分、設置費用や電気代などのコストが高い点がデメリットです。また、メンテナンスの手間もかかりやすい傾向にあります。
第二種換気
第二種換気とは給気口のみファン(換気扇)を設置して、空気を入れ替える換気方法です。排気口は自然換気になるため、空気を取り込む力が強くなります。
衛生的に優れた環境を維持しやすく、主に防塵室(ぼうじんしつ)や食品工場などで採用されており、基本的に住宅では採用されません。
室内の気圧が室外よりも高い「正圧状態」を保てるため、外部のPM2.5やホコリ、花粉、雑菌などを含んだ空気の侵入を防ぐ効果があります。
ただし、室内の空気がスムーズに外に流れないと、内部結露を引き起こす可能性があります。
第三種換気
第三種換気とは排気口のみファン(換気扇)を設置して、空気を入れ替える換気方法です。給気口は自然換気になるため、空気を排出する力が強くなります。これは第二種換気と真逆の特徴です。
排気のみ機械を用いるため、導入コストやランニングコストを抑えられます。また、室内の気圧が室外よりも低い「負圧状態」となるため、湿気がたまりにくく、結露が発生しにくい点もメリットです。
一方、気密性が低い住宅の場合、計画換気が行われにくい点がデメリットといえます。その他、機器によっては花粉やPM2.5などが室内に入りやすい点にも注意が必要です。
第三種換気は住宅で多く採用されている方法です。ステーツで扱っている注文住宅でも、第三種換気を標準仕様にしています。
標準使用のシステムについては、商品カタログ(無料)にてご確認ください。
24時間換気システム導入のメリット
24時間換気システムの種類の特徴の次に導入のメリットについてです。以下では、24時間換気システムの導入で得られる主なメリットをご紹介します。
カビや結露の防止に繋がる
こまめな換気を行うことは、湿気対策に有効です。
24時間換気システムがないと、空気の流れが弱く換気が不十分になる箇所がでてきます。空気の流れが滞る場所は湿気もたまりやすく、カビや結露などの発生原因になりかねません。
しかし24時間換気システムなら、室温を均一化し余分な水蒸気を排出でき、湿気や結露などを軽減できます。
健康面に良い影響が期待できる
24時間換気システムを設置すると、外部から侵入する有害物質を除去できます。
窓を開けるだけでも換気はできますが、気象条件によって換気量は変わります。また、自然換気だけに頼ると、換気する場所もコントロールできません。
一方、24時間換気システムの給気口にフィルターを設置すれば、外気に漂う汚染物質や花粉、黄砂などの有害物質をシャットアウトできます。安定的に空気の流れをコントロールできるので、いつでも室内の空気がきれいな状況に保てるのです。
住宅が長持ちする
24時間換気は室内の結露だけではなく、壁内の結露も防げます。日本の住宅ではどの構造でも少なからず木材を使用しているため、家の劣化を防ぐうえでも24時間換気は重要です。
例えば壁内の木材が結露で腐食すると、構造の耐久性が下がったり、シロアリ発生の原因になったりします。また、壁や柱、天井などに湿気がたまるとカビが発生し、家の劣化が進みます。
しかし24時間換気を設置すれば、室内の湿気を逃して木材を適度な乾燥状態にすることが可能です。
窓を開けなくても換気できる
24時間換気は手で窓を開けたり、換気扇を回したりしなくても換気できます。また、窓を開ける換気よりも、花粉や虫などが入りにくい点がメリットです。
24時間常に自動で換気している状態になって、屋内の空気が循環している状態を保てます。
24時間換気システム導入の注意点と対策
24時間換気システムは基本的に稼働を止めてはいけません。住んでいる人から排出される二酸化炭素や家具などから発散される化学物質などによって、室内の空気はすぐ汚染されるからです。
室内空気を清潔に保つために、どのような点に注意して24時間換気システムを導入すれば良いのでしょうか。以下で、注意点と対策をご紹介します。
音が気になる
24時間換気システムは常に稼働しているため、換気扇や機械音が気になる方もいるでしょう。また、車や外で遊ぶ子供の声など、外部の音が入ってくる可能性もあります。
このような問題は防音材やフィルターを使用する、防音フードでカバーするなどで緩和できます。その他、定期的にフィルターやファンを掃除・交換する、運転音が静音化された機器を選択するなどで対策が可能です。
空調が効きにくい場合がある
24時間換気は構造上、外気温の影響を受けやすいため、特に寒暖の激しい時期は空調が効きにくいと感じる場合があります。
この問題は熱交換器がついている24時間換気システムを選ぶと緩和できます。換気の際に熱交換することで外気を室温に近づけて取り込むため、室内の温度を一定に保ち、空調の効きが悪くなる状態を防げるからです。
電気代がかかる
24時間換気システムは住宅を常に快適に保てる反面、給気口のフィルター掃除や取り換えを定期的に行わないと、換気量が足りなくなったりして湿気がたまります。空気効率が悪くなると、家の不調や空気汚染に繋がるのはもちろん、必要以上に電気代がかさみます。
電気代を抑えるには、メンテナンスを疎かにしないことです。そして、消費電力が比較的少ない機器を選ぶこともポイントです。システムの種類や性能、数によっても消費電力は変わります。導入予定の機器を事前に比較検討し、不安な点は業者に相談して解消しましょう。
花粉や塵が入り込む可能性がある
24時間換気システムは常に稼働しているため、給気口から室内に埃や花粉やPM2.5などの汚染物質が入り込む可能性があります。
この問題は高性能のフィルターを使用する、室内に空気清浄機を設置するなどの方法で対策が可能です。
機器によっては給気口や排気口を室内に適宜設ける必要が出てきます。建具やデザインに干渉しないよう、計画的に配置しましょう。
台風や強い雨風の通過時は一時停止する
24時間換気システムは常時、換気のために外気を室内にとり入れます。風雨が強い時は雨風やホコリなども室内に吹き込むため、台風や強い風が通過する際には24時間換気システムを一時停止しましょう。
ただし、機器を止める時間が長くなると、結露の発生リスクが高くなります。台風や強い雨風が通過した後は、忘れずにシステムの電源を入れて稼働を再開させましょう。
24時間換気システムを選ぶ際のポイント
24時間換気システムを選ぶ際には、どのような点に着目すれば良いのでしょうか。特に大切なポイントを以下でご紹介します。
メンテナンスの頻度
24時間換気システムでは主に給気口フィルターと排気口の2か所を掃除する必要があります。特にフィルターの定期的な掃除は第一種・第三種換気方式の両方とも必要です。
フィルター交換はそれぞれの家庭の自然環境や使用状況によって異なります。約3ヶ月に1回の点検、年1回のフィルター交換などが一般的ですが、採用する機器によっても異なるため、ハウスメーカーに確認しましょう。
フィルターは定期的に交換するタイプと、清掃して使い続けるタイプの2種類があります。交換する頻度はメーカーによって異なりますので、メンテナンスに手間をかけたくない方は推奨頻度を事前に確認しましょう。
性能
一般的な住宅で第二種換気方式を導入することはほとんどありません。したがって、多くの方は第一種と第三種で比較検討することになります。
同じ種別でも第三種であればパイプファンやセントラル、第一種であればダクト式やダクトレスタイプなど色々あります。それぞれ性能が異なりますので、換気で何を重視するかを軸に機器を選択しましょう。
トータルコスト
一戸建て住宅に24時間換気システムを導入する際は、設置費用やランニングコストなどトータルコストがどれくらいかかるか、把握しておきましょう。
第三種換気方式はコストが第一種換気方式よりも安く抑えられます。長期的なコストやメンテナンス費用などを踏まえて、機器を選ぶのがポイントです。
戸建てにおすすめの24時間換気システム
戸建てで新しく24時間換気システムを取り入れる場合、どのような機器が最適なのでしょうか。以下ではステーツで取り入れている代表的な3つの機器をご紹介します。
24Hパイプファン換気システム
ステーツの標準仕様は「24Hパイプファン換気システム」です。
ステーツで導入している24Hパイプファン換気システムは、PUSH部分を軽く押すだけで3段階(全開・中開・小開)の風量タイプを設定できる自然給気口です。操作部を取り外せるので、従来は難しかったダクト内部のお手入れも簡単にできます。
フィルター付きパイプファンが埃をキャッチするので、製品内部の汚れが軽減し、メンテナンスも簡単です。グリルはワンタッチで取り外せます。
第一種熱交換型換気システム(ダクトレスタイプ)
商品によって標準仕様となっているのが「第一種熱交換型換気システム(ダクトレスタイプ)」です。
ステーツで導入している第一種熱交換型換気システム(ダクトレスタイプ)なら、熱交換効率を高め、冷暖房費を抑えることが可能。外に排気する際にセラミックに温度と湿度を蓄え、給気する際に室内に戻します。
風量設定は4段階。電気代は1セット最大1ヶ月約80円と、節約しながら換気が可能。メンテナンスも簡単です。
コントローラーが3ヶ月ごとにメンテナンスをお知らせします。掃除の際には特別な工具は必要ありません。
第一種熱交換型換気システム(ダクト式)
「第一種熱交換型換気システム(ダクト式)」はオプションとして導入できます。
ステーツで導入している第一種熱交換型換気システム(ダクト式)は天井裏につけた熱交換気ユニットやダクトで換気を行うシステムです。換気による熱ロスを回収し、取り入れた新鮮な空気に再び熱をのせて室内へ返すことができ、高気密住宅に向いています。
冬の寒さが厳しい時期は冷気を余熱して給気するため、冷たい空気が吹き出す不快感を防ぐことが可能です。熱ロスが少ないため、室内の快適温度を損なうことなく、冷暖房費を節約できます。
まとめ
24時間換気システムは法律で義務化されているため、これから新築戸建てをご検討の方も設置する必要があります。とはいえ「24時間換気システム」といっても、その性能や空気効率、かかるコストなどは機器によって異なります。
今回ご紹介したシステムの特徴やメリット・注意点などを踏まえて、最適な機器を導入しましょう。
ステーツではプランナーがお客様一人ひとりのお気持ちに寄り添って、24時間換気システムの性能や空気効率などをご説明いたします。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。