省エネ住宅として注目されているZEH(ゼッチ)。
そのなかでもZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)は、都市部と多雪地域に対応し、太陽光パネルなしでZEHの条件を満たすことができるものです。
通常のZEHとの違いや、メリットと注意点について解説します。
ZEH Orientedとは?
ZEH OrientedとはZEHの種類の一つで、都市部や多雪地域に対応しているZEH住宅のことです。
そもそもZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称で、「エネルギー収支をゼロ以下にする家」という意味になります。
また、家自体がエネルギーを創り出せるようにするため、太陽光パネルなども設置して「エネルギー収支をゼロ以下」にしているのです。
しかし太陽光パネルは、家を建てる環境によっては発電が十分にできないこともあります。
そういった地域に対し、太陽光パネルなどの「創エネ」設備がなくても、特例としてZEHの条件を満たすことができるのがZEH Orientedになります。
ZEH Orientedの適応地域
ZEH Orientedが適応される地域は、都市部狭小地と多雪地域となっています。
まず都市部狭小地とは、北側斜線制限の対象となる用途地域(第一種および第二種低層住居専用地域並びに、第一種および第二種中高層住居専用地域)等で、敷地面積が 85 ㎡未満の土地です。ただし、住宅が平屋建ての場合は該当しません。
また多雪地域とは、垂直積雪量が1m以上の地域のことを指します。それ以外の地域はZEH Orientedは適応されませんので注意が必要です。
参考:多雪区域を指定する基準及び垂直積雪量を定める基準を定める件(国土交通省)
また、お住まいの県のホームページに記載がある場合もありますので、そちらも合わせてご確認ください。
ZEH Orientedの条件
▲画像:吹抜けから明るい光が降り注ぐ家
さらに住宅性能については、以下の条件のどちらにも適合する必要があります。
・指定されたZEH強化外皮基準とUa値を満たしている
・再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量を削減している
※参照元:ZEHの定義(改訂版)/ 経済産業省
ステーツのZEH Orientedの事例はこちらです。
■事例ページ:
ZEH Orientedのメリット
ここからは、ZEH Orientedのメリットについて解説します。
1.光熱費が削減できる
ZEH Orientedの住宅は、「省エネ」設備と断熱性の高い住宅性能のおかげで光熱費を削減することができます。
家計の負担を減らすことができるので、長期的に見ると家づくりの際の初期コストを上回るメリットになることが多いです。
2.住環境が快適でヒートショックを起こしにくい
断熱性の高い住宅では、夏涼しく、冬は暖かい住環境で、住む人にとっては快適な暮らしができるようになります。
また、部屋ごとの温度差が小さくなるため、ヒートショックによる健康被害を軽減できるメリットもあります。
3.補助金が使える
ZEH住宅に条件が該当し、申請を行って採択されると、補助金を受けることができます。
ただし補助金は、国土交通省と環境省、経済産業省の連携により実施されているもので、公募期間や予算の上限が定められています。
またZEH認定ビルダー・プランナーに依頼する必要がありますので、補助金申請を希望される場合は、対応できるか契約前に確認すると安心です。
ZEH Orientedのデメリット
ここからはZEH Orientedの住宅のデメリットについても解説します。
1.建築コストが高くなる
ZEH住宅と同様で、ZEH Orientedの場合も、「省エネ」設備の設置や、通常の住宅より断熱性能を高める必要があります。
ZEH住宅と違い、太陽光パネルなどの「創エネ」設備は不要になりますが、やはり新築時の建築コストは高くなってしまうことがデメリットです。
ただし、光熱費が削減できるので、長期的に見ると建築コストは回収できる場合が多いです。
ZEHと比較すると「創エネ」設備の費用分をカットできます。
2.住宅の間取りや設備の自由度が下がる
断熱性能、省エネ性能の基準を満たすために、住宅の間取りや設備を決める際の自由度が下がることがあります。
例えば、窓を多く明るい家にしたい場合は、窓の数や大きさによって断熱性能の数値が落ちることがあるので、必要に応じた窓の数・大きさの選定を行い、窓の性能を上げるなどの対応を行います。
また、和室や洗面コーナー、階段などがLDKと一体で空間の面積が広くなる場合は、建具で区切るなどの対応も必要になります。
ZEH Orientedで家づくりをする際の注意点
▲画像:キッチンが主役、回れる動線の家。
ZEH Orientedで申請を行って補助金を受ける場合は、通常の家づくりとは異なることや注意点があります。
失敗や後悔なく、スムーズに家づくりができるように、あらかじめ知っておくと安心です。
1.間取りや設備への制限がある
デメリットでもご説明しましたが、基準となる性能をクリアするために、間取りや設備に制限が入ることがあります。
間取りにおいては、以下の部分に調整や制限が入る場合があります。
- 窓の大きさや数
- 吹き抜けや仕切りのない広い空間
また、床暖房などのエネルギー消費が高い設備を希望された場合は、「省エネ」設備や他の部分の断熱性能を高めるなどの対応が必要になります。
場合によっては優先度をつけていただくこともありますが、なるべくご要望を実現できるように調整を行わせていただきます。
2.導入しなければいけない機材などの条件がある
窓の性能や壁・床断熱など住宅自体の性能を高める以外にも、導入しなければいけない機材などの条件があります。
具体的には、HEMSという家庭内で使用している電力量を確認・管理できるシステムや、省電力の冷暖房や給湯システムなどがあります。
3.補助金の申請のため、打ち合わせ期間が短くなる
補助金については公募期間が限定されているため、計画を始める時期によっては打ち合わせ期間が短くなり、急がなくてはいけない場合があります。
補助金申請を希望される場合は、公募期間を事前に確認し、余裕をもって進めることが大切です。
また、着工から引き渡しまでの工事期間も限定されるので、場合によっては標準的な工事期間を縮める必要があります。
せっかくであれば補助金を使いたいですが、家づくりはしっかり納得して進めたいので、スケジュールについては慎重に考えたいと思います。
4.補助金に採択されない場合もある
いろいろな制限をクリアして、ZEH Orientedで申請を行っても、残念ながら補助金に採択されない場合もあります。
補助金採択が目的ではなく、あくまで省エネ住宅としてのメリットを感じられる場合にZEH Orientedを採用していただければと思います。
ZEH Orientedについては、性能面でも自分たちのニーズに合うものだと感じたので、具体的に家づくりを進めたいと思いました。
まとめ
通常、ZEH住宅には太陽光パネルが必須ですが、発電条件の悪い都市部と多雪地域は免除される特例がZEH Orientedです。
補助金に採択されなくても、高性能な省エネ住宅は、光熱費の削減や快適な住環境など、住んだ後のメリットが多いです。
「ZEH基準」は、住宅の断熱性能の高さを表す基準としても使用されています。
お客様のご要望に合わせて、最適な断熱性能のランクや仕様をご提案できますので、プランや性能の違いで悩まれる場合はお気軽にご相談ください。
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