家づくりの際、子供部屋はどのくらいの広さが必要で、どんな間取りにすればいいのか悩まれる方も多いのではないでしょうか。
子供部屋は、子供の人数はもちろんですが、使い方や他の部屋との兼ね合いなども関係してきます。平均的な子供部屋の広さや、つくり方のポイントなどをステーツの事例と合わせてご紹介いたします。
子供部屋の平均的な広さとは?
まず、子供部屋の平均的な広さとはどのくらいでしょうか。
アットホームが2022年に調査した「子どものための住まい探しに関する調査」によると、子供部屋の広さは平均6.4畳という結果になりました。
一番多かったのが6.0〜6.9畳が56.0%で、その次に5.0〜5.9畳が17.2%、4.0〜4.9畳が9.6%と、7畳未満と答えた方が8割以上になりました。
子供部屋の広さで選ばれることが多いのは5〜6畳のようです。
具体的には、6畳の中にクローゼットも含めた5.3畳、5.2畳という構成が一番多いです。
また、子供部屋の広さを決める時、施主様が子供の時に過ごした子供部屋の広さによっても考え方が異なる傾向があるようです。
例えば、自分の子供部屋が小さかった場合は、子供部屋はそんなに大きくなくてもいいと考える方が多い傾向があります。逆に、子供の時に大きい子供部屋だった場合は、大きい方がいいと考える場合が多いです。
何歳から子供部屋は必要?
では、子供部屋は何歳から必要になるのでしょうか。
こちらもアットホームが2022年に調査した「子どものための住まい探しに関する調査」によると、初めて子供部屋を用意したタイミングは6〜8歳が最も多く、その次に0〜5歳が28.5%となりました。
つまり、小学校低学年ごろに子供部屋を用意することが多いようです。
子供部屋を作る際の注意点とポイント
一般的な子供部屋の広さをご紹介しましたが、子供部屋の広さや間取り、収納などをどのように検討すればいいのか、注意点とポイントをご紹介します。
4.5畳以下の場合
面積が小さい分、建築コストが減りますし、子供部屋をコンパクトにした分、共有スペースを広くすることができます。
ただし、4.5畳以下の小さいお部屋は、家具の配置はもちろんサイズも事前に計画しておく必要があります。ベッドと収納、デスクなどをどう配置するのか設計時に考えておくと安心です。
スペースの都合であらかじめ家具の置く場所が限られてしまいますが、無駄なく有効に面積を使える部屋が完成するというメリットもあります。
また、戸は引き戸にすると省スペースですが、開き戸よりもコストが高くなることと、構造の壁が少なくなること、防音性が劣るという点から、ステーツでは個室に採用するケースは少ないです。
5〜5.5畳の場合
6畳の中にクローゼットなどの収納スペースを入れた、5.3畳(5.2畳)のお部屋は、ステーツでは一番多く採用する広さです。きれいな長方形の間取りになるので、すっきりとした2Fの間取りが作れます。
ややコンパクトに抑えつつ、作りつけの収納で使いやすい広さです。シングルベッドとデスクを設置する場合、収納との位置関係は事前に計画しておくと安心です。
収納部分を除いたフリースペース部分が6畳か5.3畳かの違いについては、使い勝手はそんなに変わらないと考えていただいて大丈夫です。
6畳の場合
個室として使う場合、ある程度余裕のある広さです。大きめのクローゼットなどの収納も設置することができます。
ベッドにデスク、本棚も配置できるので、将来ものがある程度増える場合も安心です。
8畳以上の場合
8畳以上の子供部屋は、個室としてはかなり広めの子供部屋になります。
子供が小さいうちは共有で使用し、個室が必要になったタイミングで仕切りをつくって2部屋に分ける場合は、9畳以上あると安心です。
ただし、その場合はコンセントや照明など、あらかじめ仕切ることができるように設計段階で検討しておく必要があります。
2人以上の子供部屋を検討する場合
子供部屋の数によっても、広さや間取りの考え方は異なります。
2人以上の子供がいて、それぞれに個室を与えたい場合、家の間取りによっては同じ広さの部屋を用意しづらいこともあります。
子供部屋の広さは平等にしたいという意見が多いですが、間取りによっては使い勝手は同じでも違う面積の子供部屋にした方が、家全体で考えた時に無駄のない間取りになる場合があります。
また、3人以上のお子さんがいる場合や、将来的に3人目を検討されている場合は、あらかじめ3つの個室をつくる以外にも、あとで分割できるようにしたり、予備室を活用するなどの方法もあります。
以下の記事で詳しくご紹介していますので、参考にご覧ください。
子供部屋の事例
ここからはステーツの事例から、子供部屋の間取りをご紹介します。
事例01:共有スペースを活用したシンプルな子供部屋
家族構成:夫婦+子供2人
子供部屋の広さ:5畳
1つ目の事例は、将来的には別の使い方もできるように考慮してつくった5畳のシンプルな子供部屋です。
収納や勉強するデスクを子供部屋ではなく共有スペースに設置することで、子供部屋自体はコンパクトでも使いやすくしています。
レイアウトや用途変更のできる子供部屋
「模様替えしやすい部屋にしたい」という施主様の要望で、作り付けのクローゼットを設置せず、入り口以外の壁面は自由に家具やものが配置できるようにしています。
ベッドなどの家具もいろいろな方向に置けるので、模様替えのバリエーションも増えます。
また子供が独立した後は、ゲストルームなど用途を変更して自由に使うことができます。
収納は共有のファミリークローク
シンプルでコンパクトな子供部屋とは別で、子供専用で使える大きめのファミリークロークを設置しています。
自室にクロークを設置しないメリットは、
- 子供部屋に収納を用意する必要がなくなるので部屋がシンプルになる。
- 洗濯した衣類を一箇所にしまえるので家事や片付けの手間が減る。
- ファミリークロークの設置場所を工夫すれば、家族の生活動線が便利になる。
などです。
ホールに設置した共有のスタディスペース
また、勉強する場所も子供部屋ではなく、2階ホールの共有スペースに設置しました。
デスクや本棚もそれぞれの子供部屋に設置すると場所をとられますが、共有のカウンタースペースに集約することで、家族みんなで使えるフレキシブルなスペースになっています。
家族間のコミュニケーションを大切にしたい方におすすめです。
また、子供同士で共有するスペースがあると協調性を学ぶこともできます。
事例ページ:
事例02:作り付けのデスクと収納でコンパクトでも使いやすい子供部屋
家族構成:夫婦+子供2人
子供部屋の広さ:5.14畳(収納込み)
2つ目の事例は、25坪のコンパクトな平屋に、5.14畳とコンパクトで使い勝手のいい子供部屋をつくった事例です。
スペースを有効活用するために、収納やデスクを作り付けで設置しています。
スペースを活用するための作り付けのデスクと収納
5.14畳というコンパクトな子供部屋に、収納とデスク、ベッドを配置できるよう、デスクと収納は作り付けで設置しました。
既製品の家具を置くよりも、作り付けの家具や収納の方が部屋を無駄なく使うことができるメリットがあります。
また、色や素材を同じにすれば室内の統一感もできるので、部屋がすっきりして見えます。
建具のないシンプルな収納
収納についてはコストダウンのため建具を設置していません。建具がないことで、部屋が広く見えるメリットもあります。
将来的には収納にロールスクリーンを設置して、友達が遊びに来た時などの目隠しができるようにする予定です。
事例ページ:
事例03:集中できるスタディスペースがある子供部屋
家族構成:夫婦+子供2人
子供部屋の広さ:6.5畳(収納込み)
最後の事例は、集中できるスタディスペースを備えたゆとりのある子供部屋です。
作り付けのデスクや収納と、天井の下り壁のアクセントで部屋がすっきりとまとまって見えるようにしています。
下り壁で仕切られたスタディスペース
6.5畳と広さにゆとりのある子供部屋ですが、あまり家具は増やさないようにしたいという施主様の要望で、収納やデスクなどの家具を作り付けで設置しました。
スタディスペースの上の天井を下り壁にすることで、フリースペースとの切り替えができて、勉強する際の集中力が上がるように工夫しています。
来客時は隠せる収納の工夫
クローゼットは建具を設置せず、カーテンで隠せるようにしています。
友達が遊びに来た時などに目隠しをすることができます。
また収納に建具がないことでコストダウンと、普段つかうときは開け放して物が取り出しやすくしてあります。
まとめ
子供部屋は広さだけではなく、どんな風に使いたいかや、家族ごとの考え方によっても広さや間取りが変わってきます。
家族と過ごす時間を基本とする場合は、子供部屋はシンプルで小さくして共有スペースを充実させることがおすすめです。
子供のプライベートな時間を確保してあげたい場合は、子供部屋で過ごしやすくなる工夫が重要です。
他の間取りとの兼ね合いもありますので、総合的に判断し、一番いい間取りをご提案いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。