世田谷の猪股邸。設計は現代数寄屋の名手、吉田五十八です。
こちらが玄関。格式ばってないので変に緊張せず入れます。
土間の玄昌石というタイル。品がありますね、この独特の艶。
玄関を抜け、居間に入ると。
・・・おおお。
庭に面したフルオープンの大開口。切り取られた景色が目の前に広がります。
外部と内部がつながった連続感がなんとも爽快です。
仕掛けはこんな感じ。こんなふうに手前から障子、ガラス、網戸、雨戸と重なり、これらすべてを引き込みフルオープンできるようになっています。
巨大な床の間。現代風の椅子座の生活に合わせて、高さを上げてあります。
奥様のお部屋。となりにはウォークインクローゼット。
増築部分の書斎。こちらは弟子の設計。
コーナー窓から庭へ視線が抜けます。腰窓なのでたまりができて居間とはまた違った居心地のよさがあります。しかしどの部屋からも庭の景色がいいですねぇ・・・。
どの部屋もモダンに作られているのに不思議と日本建築の雰囲気が感じられ落ちつきます。
そして特徴的なのは日本建築特有の横の線が少なく、部屋がすっきりと見えるところ。
長押や廻縁など省けるものを省き、見せる柱は表しに、見せなくてもよい柱は壁の中に隠す(大壁)。
こうすることで目に余計な情報が入ってこないので気楽に居られます。
住宅は住む宅でどこまでも見せる宅ではない。家人がすみいい家であり、
来る客が長くいられて家人と親しめる家であってほしい。
日本建築を現代風に改めた吉田五十八らしい設計です。
他にも見どころがまだまだありますので興味があれば是非直接見学されてみてください。
急いでいたので早々に帰る予定でしたが、居心地がよく、思いのほか長居してしまいました。
おかげで駐車料金800円もとられてしまった!都会高いなぁ・・・。
須田