注文住宅で家づくりをする際、愛車を守るためにもガレージについてもこだわりをお持ちの方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、ガレージ内から出る騒音や雨や雪の吹き込みを防ぎ、生活の利便性も考えたインナーガレージハウスのつくり方と施工事例をご紹介いたします。
- インナーガレージハウスとは?
- インナーガレージハウスのメリット4選
- メリット1:車を雪や雨風から守ることができる
- メリット2:車の乗り降りの負担が楽になる
- メリット3:車の防犯・盗難対策になる
- メリット4:趣味のスペースとして使える
- インナーガレージハウスのデメリット3選
- デメリット1:建築費用が高くなりがち
- デメリット2:1階の間取りが制限される
- デメリット3:土地の広さや制約に注意する必要がある
- インナーガレージハウスをつくる際のポイント3選
- ポイント1:車から降りたあとの動線を考える
- ポイント2:排気ガスや音の対策をする
- ポイント3:将来を考えてきちんと設計する
- インナーガレージハウスの一戸建て施工事例を4つ紹介
- 事例1:中庭とつながる和モダンのインナーガレージハウス
- 事例2:シャッター付きで安心できる一戸建てのインナーガレージハウス
- 事例3:趣味と実用性を兼ねたインナーガレージハウス
- 事例4:45.4坪のコンパクトな敷地に建つ一戸建てのインナーガレージハウス
- まとめ
インナーガレージハウスとは?
インナーガレージハウスとは、住宅とガレージが一体となった近年需要が高まっている建築スタイルのことです。普通は家と車置き場(ガレージ)が分かれていますが、この建築スタイルでは家と車置き場が一体になっており、ガレージ部分については「ビルトインガレージ」や「インナーガレージ」と呼ばれています。
特徴的なポイントは、ただ車をしまうだけでなく、フリースペースとしても使えるところです。そのため、車が好きな人だけでなく、DIYが好きな人にとっても、とても便利な場所となるでしょう。
外見についても、多くの場合、家の部分とガレージがひとつのデザインとして成り立っています。
インナーガレージハウスのメリット4選
ここでは、インナーガレージハウスのメリットを4つご紹介します。
メリット1:車を雪や雨風から守ることができる
インナーガレージハウスのメリットは、雨や雪、日差しや風から車をしっかりと守ってくれることです。普通の家だと家と車庫が分かれていて、車は外に置かれることが多いです。しかしインナーガレージハウスでは、住宅と車庫が一緒になっているので、車を常に1階部分に入れておけます。
このおかげで、悪い天気や外の条件で車が極端に傷んでしまうことがありません。車が外に完全には出しっぱなしにならないので、色や形も長持ちして修理する回数も減るでしょう。
メリット2:車の乗り降りの負担が楽になる
ガレージスペースと家が一体化しているインナーガレージハウスでは、車から降りるときに雨や雪に濡れる心配がありません。
車と家がぴったり繋がっているので、雨の日でもスムーズに車から家に入れて、快適な移動ができます。それだけでなく、家とガレージが一体化しているので、大きな荷物を運んだり、赤ちゃんや小さい子供、お年寄りの方々の乗り降りもずっと楽になります。
この便利な配置によって日常の動きがストレスなく、家族全員が気持ちよく過ごせるでしょう。
メリット3:車の防犯・盗難対策になる
インナーガレージハウスのメリットのひとつは、車やバイクを盗難や損傷からもしっかり守ってくれることです。
インナーガレージハウスでは、ガレージが家の1階に組み込まれているため、車が家の中に収納されています。シャッターを閉めれば外部からの侵入を防ぐことができるのも、防犯を強化できるポイントのひとつです。
車が盗まれたり傷付けられたりする心配を大幅に減らし、安心して日常生活を送ることができるのも、インナーガレージハウスならではの魅力でしょう。
メリット4:趣味のスペースとして使える
インナーガレージハウスのメリットのひとつは、ガレージスペースが趣味のスペースとして活用できることです。
この建築スタイルでは、家と車庫が一体化していて、ガレージが単なる駐車場ではなく趣味のフリースペースとしても利用できます。たとえば、車以外にも、DIYや修理の場所として使ったり、物をしまっておくスペースやトレーニングエリア、遊び場として使ったりすることもできるでしょう。
このように、個々の趣味やニーズに合わせてスペースを使い分けることで、生活の幅が広がります。ガレージスペースが単なる車の置き場所ではなく、趣味のスペースなどとして使えるのは、インナーガレージハウスの大きな魅力のひとつです。
インナーガレージハウスのデメリット3選
ここでは、インナーガレージハウスのデメリットをご紹介します。
デメリット1:建築費用が高くなりがち
インナーガレージハウスのデメリットは、普通の家よりも建てるのにお金がかかりやすいことです。なぜなら、車を置くスペースを追加するだけでなく、シャッターや特別な設備も必要になるためです。
住宅とガレージを一緒に作るには、構造や設備に対して通常の家よりもきびしい基準があり、それが建築費用がかさむ原因となります。とはいえ、高い費用がかかる一方で、便利で快適といったメリットもあるのがインナーガレージハウスです。
家づくりをする際には、予算とメリットをバランスよく考えてじっくりと検討しましょう。
デメリット2:1階の間取りが制限される
インナーガレージハウスの難しい点は、車を収納するためのガレージスペースが1階の間取りに影響をあたえてしまうことです。
狭い敷地では1階の部屋の配置が制限され、リビングやキッチンの広さが限られてしまう可能性があります。この問題を解消するためには、2階にリビングやキッチンを配置するなど、工夫が必要です。
また、ガレージスペースの分だけ窓を設置できる場所が減ってしまうため、1階が暗くなってしまったり、通気性が悪くなる可能性があります。しかしこれらの問題は、家の設計を工夫することによって解決できるでしょう。
インナーガレージハウスの家をつくる時には、家族の要望やライフスタイルに合わせて最適なプランを考えていくことが大切です。
デメリット3:土地の広さや制約に注意する必要がある
インナーガレージハウスのデメリットのひとつは、ある程度広い土地が必要なこと。です。車庫と住宅が一緒になっているため、そもそもの敷地が狭いと、建てるのがむずかしいでしょう。
土地の形や地域のルールも気にしないといけません。土地が変わった形だったり地域の建築の決まりごとに違反したりすると、インナーガレージハウスを建てられない可能性もあります。
そのため、家を建てる前には事前に土地の形や条件、ルールをよく確認してから計画するようにしましょう。
インナーガレージハウスをつくる際のポイント3選
ここでは、インナーガレージハウスをつくる際のポイントを3つご紹介します。
ポイント1:車から降りたあとの動線を考える
インナーガレージハウスを作る際の重要なポイントは、「車から降りて家に入るまでの動線を考える」ことです。たとえば、玄関の位置や階段、ドアの配置を工夫すれば、雨の日や荷物を持っているときでも、スムーズに家へ入れるでしょう。
このように工夫をこらすことで、住んでいる家族が日常生活をストレスなく過ごせるだけでなく、友人や知人が気持ちよく訪れることができるようになります。
ポイント2:排気ガスや音の対策をする
インナーガレージハウスを作るときの大切なポイントのひとつは「車から出る排気ガスや音の対策」です。車を家に入れると、エンジンのガスや騒音が気になることがあるため、それらを防ぐ工夫が必要となります。
たとえば、換気システムを付けて新しい空気を入れたり、排気ガスを外に出したりといった仕組みをつけるのがおすすめです。また、遮音材や断熱材を使って、騒音を減らすことも重要となります。
インナーガレージハウスを快適な家にするために、排気ガスや音の対策もしっかりと行いましょう。
ポイント3:将来を考えてきちんと設計する
インナーガレージハウスを作るときの大事なポイントのひとつは「将来を考えてきちんと計画する」ことです。家族や生活スタイルは将来にわたる長い時間の中で変化する可能性があるため、インナーガレージを含めた家の構造は、しっかりと検討して決めなければいけません。
たとえば、段差のないバリアフリーな作りを意識すると、年を重ねたときや身体が不自由になったときでも快適な生活が送れるでしょう。ほかにも部屋の使い方や階段、ガレージの大きさなどについて、将来の変化に合わせた設計をおこなうことをおすすめします。
自分で建てたインナーガレージハウスがいつまでも心地良い場所になるよう、未来を見据えた設計をすることが大切です。
インナーガレージハウスの一戸建て施工事例を4つ紹介
ここでは、一戸建てのインナーガレージハウスの施行事例をくわしくご紹介いたします。
事例1:中庭とつながる和モダンのインナーガレージハウス
家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:58.91坪
ガレージの広さ:7.52坪
完全に囲われたガレージではなくてもいいということだったので、中庭にほどよい目隠しをしつつ、玄関から中庭へのアクセスもしやすくしています。
和モダンのデザインを生かした下屋つながりのガレージ
ゆとりのある1階部分の間取り
また、家事動線をよくするため、水回りの配置にも配慮しました。
ガレージとつながる玄関
車庫から中庭へのつながりもあり、その先にはウッドデッキとリビングがあります。
事例ページ:
事例02:シャッター付きで安心のガレージハウス
家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:54.59坪
ガレージの広さ:9.58坪
家事と生活を考えた間取りと動線
さらにふたつめの動線は、買い物した荷物をすぐ運べるように勝手口を設け、キッチンへの直通動線も確保しています。
ガレージの中の様子
自動で閉まる電動シャッター
このタイプのシャッターのメリットは「意匠性が高い」「開閉時の音が比較的静か」といった点が挙げられます。
一方、デメリットとしては「巻き取り式のものよりも導入費用は高くなる」「天井の照明取り付けスペースが限定される」といったことがあります。巻き取り式のシャッターは手動タイプもあるので、使い方や予算で選ぶことも可能です。
事例3:趣味と実用性を兼ねたインナーガレージハウス
家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:79.52坪
ガレージの広さ:14.69坪
車庫のある1階は、縦に2台駐車できる駐車スペースと、その横に設置された多目的に使えるラウンジスペースとピロティになっています。1階を車や趣味のスペースにし、居住機能は2階と3階に割り振ったので、生活しやすいようにエレベーターを設置しました。
縦並びの車庫スペース
こちらの物件は雪国にあるため、雪に対する備えも必要でした。そのため除雪道具なども片付けることができるよう設計しています。
多目的に使えるラウンジスペース
玄関とエレベーターホール
事例04:45.4坪のコンパクトな敷地に建つガレージハウス
家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:45.40坪
ガレージの広さ:5.01坪
また、施主様の要望で、奥様が普段使われる車をインナーガレージに停められるよう車1台分のスペースで設計しています。奥様とお子さんが快適に乗り降りしやすくすることを優先して考えました。
ガレージと居住空間のバランスを考えた間取り
生活や家事の動線を考えると、LDKと水回りをワンフロアに配置したほうが家事の負担が減り、生活もしやすくなります。駐車スペースを1台分にすることで、1階の居住スペースが削られてしまうガレージハウスのデメリットを最小限に抑えられています。
アプローチを兼ねた車庫スペース
こちらはカーポートより壁面が多いので、車が守られますが、シャッター付きのインナーガレージよりは雨風にさらされる可能性があります。
実用性とデザイン性も考えた壁面
また、ガレージ部分の2階はバルコニーとして活用可能です。ガレージ上部スペースの活用方法はいろいろ考えることができますよ。
まとめ
インナーガレージハウスとは、住宅と車庫が一体となり、車を1階部分に収納することで様々なメリットが得られる建築スタイルです。一方でデメリットもいくつかあるため、きちんと将来を見据えて設計をしなければいけません。
今回は、目的や使い方が異なる4つのインナーガレージハウスの事例をご紹介させていただきました。ステーツでは、これらの事例以外にも施主様の要望に合わせた様々なタイプのガレージハウスをご提案しています。予算や土地、ご家族の要望やライフスタイルのバランスを見ながらプランニングいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。